幼稚園・小学校受験準備をブラッシュアップ
「保護者面談は、両親で出席しないと合格できないという誤解」
何となく、当然という気がする言葉ですよね。とくに最近は「イクメン」なんて呼ばれるパパが増加中ですし、「夫婦が同等の立場で子育てに責任を持つべき」と考える若い夫婦が多いですから、両者で責任を分かち合う意味でも、保護者面談は両親で臨むべき!の姿勢を持つ方が増えています。
当会の一日指導体験やカウンセリングでも夫婦参加が高確率ですから、今やそれが常識と化しているのかもしれません。
さて、実際のところどうなのか?
附属小学校受験では、関東の国立大学附属では面接がありませんし、慶応幼稚舎・慶応横浜初等部・桐朋小学校などの私立人気校でも同様の例があります。中学受験と同様に「合格者は子供だけで判断して決定する!」という強い意志を感じます。
ドロシーローノルトさんの著書『子どもが育つ魔法の言葉』(1998年刊・アメリカ)の詩「子は親の鏡」のようにベテラン教師は子供のふるまいを見れば、その親がどんな親であるかを見抜くことが可能です。
ですから、幼稚園受験でも小学校受験でも教師が最も観察すべき対象者は子供なのです。しかしながら幼小受験では保護者面接を実施する附属の方が多いのです。その理由は、附属幼小では保護者が子供達や教師達にとって影響力の多い人的財産だからです。
では、両親のどちらに注目するか?という視点で見るならば、幼児期であるが故に母親の方に重きがあります。子供の男女問わず、母親の職業の有無に関係なく、母親を中心に観察します。
母親の関りが多い幼稚園全般や、カソリック附属小学校がその典型ですが、ミッションに限らず、父親が日程の関係で致し方なく欠席しても合格することは珍しくありません。
入学(園)後の父親の協力姿勢や機会の多い附属小である、青山学院や東洋英和でも、当会の会員では過去に何度も母親だけの面接出席で合格しています。
両親それぞれが最大100のポイントを持っていて、合わせて200になる事はまずありませんが、合わせて100以下になってしまうことはよくあることです。折角母親が志望する附属を研究し、万全の態勢で臨んでいるのに、様々な理由で父親にマイナス要因があるケースは、足を引っ張るかのように不合格につながります。
母親ほど真剣に幼小受験に向き合う父親は少数ですが、妻の考えや思いに対するよき理解者であり、包容力のある謙虚な人物像であれば、母親の持つポイントに加算される筈です。そのような父親であれば、仮に少々不安の多い母親であっても、夫婦で面接に参加する意義が出てくるのですが…
当会では「夫(妻)が出席せずに合格された例として、以下のようなケースがあります。一番目の出張などの理由は珍しくもありませんが、二番目以降のようなケースもけっこうあります。
・出張や急な仕事で父親が出席ができないので母親のみで面接に臨んだ。(父親だけ参加の例もあります)
昨年度の青山学院初等部面接に母親だけ出席された勤務医の家庭も無縁合格されました。
・父親は受験に賛同をしているが、面接が余りにも苦手で思いを伝えることが不可能と判断した。
母親と相談の上、父親不参加決定。ご主人への気遣いが不要となり、母親が精神的に楽になり、面接が価値あるものになるケースは毎年あります。
・父親が賛同せず、受験校(園)に対して研究する姿勢も無いままなので、マイナス要因が多すぎると判断して。
これもよくあります。理解の深い附属の面接には参加しています。
・最後までご主人の賛同が得られず、願書提出から入学手続きまでの全てを母親だけで行った。
ご主人が受験したことすら気づかなかった例もあるぐらいで、事後承諾となったが、通学後私立小学校の影響力の大きさや魅力を理解し、良き理解者になるケースが多い。
・離婚、死別、非嫡出子の為。
近年は事実婚家庭の受験も珍しくなくなりました。その事情を願書や面接で正直に伝える事が大切であり、学校側が問題なしと判断すれば合格可能な小学校はけっこうあります。
「以上のようなケースは全て縁故や出身者だからでしょう?」という声が聞こえてきそうですが、ほとんどの例が無縁の方ばかりです。職業の有無に関係なく、母親が母親としてだけでなく一人の女性として魅力ある人物であれば、両親揃わずのケースでも合格できます。
でも、誰でもというわけには参りません。母親だけで面接に参加して合格を得た過去のケースで私が確認してきた母親(父親の例も)は、最終的に以下のような人物となって面接に臨んでおられました。
・子育てや家の事に関して、夫や実家、友人、知人に頼らず自身で決定し、結果を他者のせいにしない。
・他者の意見や考えを聞く姿勢を持ち、必要であることだけを吸収した上で簡単に曲がらない自分の考えを持つ。
・他者の行動や選択を安易に真似をしない。
・失敗を恐れる為にほどほどの関わり方などはせず、常に思い切って関わる姿勢を持つ。
・附属の格差や他の子供の評価など、決して子供の前で話さず、大人と子供の仕分けをしっかりとしている。
まだまだあるかもしれません。全て社会で活躍している大人の持っている姿です。だからこそ専業主婦で無かろうと、父親が面接に不参加であろうと合格が可能なのです。
女の子と同様に大人の女性も強いのです!最初は自信も無く不安だらけの姿でも、常に前向きの姿勢であるのならば、私たちは決して見放さず、上記のような女性として受験に臨めるようケアします。幼児教室は親の学びの場でもあるのですから…
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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