幼小受験準備をブラッシュアップ
「附属幼小はご両親に何を求めているのか?」
面接の無い慶応幼稚舎は、願書を通じ出身者という条件だけでなく、慶応義塾への貢献度の高さや、将来の貢献を予測できる家庭を合格判定会議(一週間)の選びの条件にしています。勿論子供に魅力があってのことですが…
青山学院や学習院、立教、成城学園、聖心、雙葉学園等々の有名校は出身者優先のイメージがつきものですが、当会の過去の合格者データでは出身者比率は決して高くありません。だからこそ、出身者でないことを理由に「志望校(園)を変更してください」と言う言葉を発したことがないのです。
附属幼小と家庭の属性の一致が志望校選択で大切であると私はよく述べますが、それは出身者であることが条件という意味ではありません。出身者はその附属の価値の良き理解者ですから貴重な存在です。無縁の家庭はその附属幼小の過去から現在への平均的保護者層に近く、価値観が合う人達であることがまず条件となるでしょう。
附属幼小は親のコミュニテイでもあります。そのコミュニティに関わることで親も影響を受け成長する場ですから、付き合いにくい人的環境では困るからです。
次に、創立者の理念や宗教教育などの教育方針を理解し、受け入れようと思う気持ちを持つ両親であることも条件です。その意思を持つ親が支えているからこそ、先生方は遠慮せずに思い切った教育を続けることが可能であり、子供だけでなくご両親や親族にまで公教育では得られない影響を及ぼすことができるのです。
わかりやすく言えば、我が家の価値観や有様に合わないことを理由にして、文句や注文ばかり言う親では困るということです。費用を払っているのだから注文を付けて当然と思うのであれば、それは幼稚園や学校だけでなく他の親達にとってもいい迷惑です。
それだけ附属幼小は保護者に期待しているのです。ご両親や親族はその附属にとって貴重な人材です。有りがちな「良きパパやママ」ではなく「人的魅力に溢れた人物」であり「良きサポーター的存在としてコミュニティに関われる親」を選んでいるのです。
だからこそ、「私達両親は幼小にとってどのような人材価値であるか?」を願書提出の日までに考え理解して欲しいのです。これが就職であるなら当然のことですが、附属幼稚園と小学校の保護者は一人一人が異なる価値を持つ人材です。
それは「学歴、職歴、家系、幼少期からの活動歴や育ち」等々を基にした人的価値が中心ですが、過去に受験された家庭との面談歴(外部生も含む)を通じ、ご両親達の発言で最も多いのは、「そんなことを伝えて良いのですか?」だと思います。
「それを伝えなかったら何を伝えるのですか?」と聞き返すぐらい、ご両親が守りの姿勢を崩せないでいることを感じてきました。
「どのような業界の職歴か」「創業者である」「何代も家業を受け継ぐ家庭」「職以外の活動歴」「異宗教の信者歴」「日本育ちで無い」「外国人である」「転職歴が多い」「特殊な仕事をしている」「珍しい趣味を持つ」…etc.
様々な条件の中で生きているのが人間です。自分では大したものではないと思うかもしれませんが、人的価値と判断される材料は意外に沢山あものです。
「ネガティブな事実を伝えない方が良い」という浅い考えのアドバイスを信じすぎている親も多く、「それを解消するために私立の附属幼小で親子共に学びたいのです」だって、十分に志願理由になるのですから、自身の財産になるかもしれない内容をネガティブなものと決めつける必要はないのです。
附属幼稚園や小学校の出身者は、学年にまたがった友達との関係を築くだけでなく、友人たちが「どのような両親か?」「どのような仕事なのか?」「どのような家系なのか?」を知りながら成長していくのです。
もしそれを人脈というならば、利害関係の無かった時期に気付き上げたものであり、一生ものの人脈です。皇室の子女と学友であったことでさえ、幼少期からの関係なら友人に過ぎないのです。
人は逃れられない気質・資質・家系を持って生まれてきます。それがネガティブと感じるものであっても、「だからこそ今の自分がある」と思って、子供のみの受験ではない附属幼稚園・小学校に臨んでください。
幼児教室は、それを導き出す場であるのですから、遠慮や気遣いは無用です。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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