受験終盤頃に毎年思うのですが、各ご家庭の合格先を眺めていると、子供がどの附属に合っているかではなく、ご両親にとって相応しい場であることがよくわかります。順応性のある子供は通い続ける内に、その附属幼小に相応しい生徒になっていくと理解すべきです。
受験準備をする課程で、「志望園の子供らしく仕上げないと合格しない…」の考えは、私の教室にはありません。保護者がそう思い込むのも無理はありませんが、附属幼稚園や小学校によって望ましい子供の姿や力量にそれほど差はありません。合格先に違いがでるのは、好みの親の違い(属性の一致と言っても良いでしょう)であり、その幼小の保護者のコミュニティに無理なく入っていける人の違い故のものと理解すべきです。
職で言えば、どの業界が相応しく、その中の社風等を醸し出している人材の平均値の違いのようなものです。それぞれの会社や組織の創設者の経営理念は、学校で言えば創立者の理念や宗教の教えと考えれば、附属幼稚園や小学校を理解しやすくなると思います。
保護者のコミュニティに無理なく入っていける人の違いとは、ご両親それぞれの祖父母ぐらいまで遡った育ちが作り上げるものです。十数代遡れるような家業でなくても、戦後の八十年近くの間を通じた〇〇家のらしさを甘く考えてはいけません。
自身の事を理解し、どのように他者に見られているのかを判断することは簡単ではありませんが、最も近い関係である夫や妻、父や母の事は見えると思います。自分の事は理解していると思いがちですが、客観的に判断し正直に述べてくれる方から「自分らしさ」を伝えてもらう事は大切ですね。
だからこそ、私達教室側の見極めも大切であり、選択ミスが続けば、どんなに子供の力量があっても不合格や補欠の結果が並んでしまうことになりますから、責任は重いのです。
またご両親にも私達経験者の意見に耳を傾ける姿勢が必要です。その為にも保護者と教室の信頼関係の構築は大切です。
加えて、学歴や家系、職歴、資産etc.を誇れるご両親であっても、附属幼小のコミュニティの中で生きていくために必要な社会性や常識と教養、そして謙虚さを身に着けていなければ合格は遠のくものであることも理解して欲しいのです。
附属幼小に序列はありません。そのご家庭に相応しいか相応しくないかだけです。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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