今回は2013年に発信した「父親の面接対策」に手を加えて述べてみましょう。
発達が早くしっかりした長女の発言で記憶に残る言葉…しかも過去、数名から発せられている同じ言葉…それは、親子で小学校受験の面接に臨み、校門を出た時に思わず長女から発せられています。
「パパ…台無しね」
「気遣い」ができない幼児ならではの辛辣な言葉…
いつも自信たっぷりだった父親も、神様のような優しさと微笑みで接していた父親も、その後ろ姿は傍目にも気の毒です。しかも肩を落とす夫を置いていくかのように、無言でスタスタと前方を歩む奥様の表情が見えない事が幸いです。
「穴があったら入りたい…」とは、こういう事を言うのでしょうね。
5~6歳の幼児に「駄目だったねパパ!」と判断される面接って、一体どんな状況だったのでしょう。奥様からその日の内に報告が入って、私たちの知るところになるのですが…
質問に対して沈黙が続いて子供にもわかるような状況や、研究不足故の的外れの回答を繰り返したり、奥様は落ち込むというよりも怒りか呆れが勝っていますから、私達への報告時には興奮状態で多弁となります。
幸いなのは、その後の面接が見違えるように良くなる事でしょうか…せっかく良き面接になったのに子供抜きの面接だったりすることも多々ありますが、とにかく「メデタシメデタシ」です。
人間は挫折からしか学べないということでしょうか、父親は「自分が如何に面接を舐めていたか」を反省し、心を入れ替えて必死に面接対策を実行します。最初からすれば良いのに…とは思いますが、全ての父親がそう出来るわけではないのが現実です。
黙り込んでしまった面接と真逆なのが、いわゆる「しゃべりすぎ」です。
弁の立つ父親は、高学歴で社会的地位が高い方に多く、つい持論を延々とぶってしまい面接を台無しにするケースが多いのです。
横で様子を見ている奥様は気の毒です。注意するわけにもいかず、ひたすら耐えるしかありません。
耐えているのは奥様だけではなく、面接担当の先生方も同じなのですが…
恐らく家庭でも、このような感じで奥さんに語っているのだろうな…聞く耳を持ち合わせていないんだろうな…反論などされたらむきになってより大きな声で語るのだろうな…etc.
先生方はこのように感じるでしょうね、きっと。
職場で部下が上司に語られるなら我慢もするでしょう。今回は立場が逆なのです。入学をお願いしにきているのです。その基本的なところを分かって面接に臨んでいるのでしょうか?
このようなタイプは、不合格になっても自分のせいなどとは決して考えません。だって面接終了後、おおいに語る事ができた満足感に浸って、反省のかけらもありませんから。自分たちの良さを理解できない相手になんか、大切な子供を任せられるか!なんて開き直るんでしょうねきっと
せめて、自分たちの何がいけなかったのか…程度は考えて欲しいものです。
さて、こうならないための対策です。
・相手は理念よりも人柄、そして人としてのありさまを判断するために面接をしていることを肝に銘じる。
学者肌の理屈っぽい願書も困りますが、附属幼稚園や小学校は人的影響による人づくりの場です。保護者も人的環境の一部なのですから、人柄に問題のある親は不要です。理念よりも長きに亘り関係を持つ相手として問われるのですから、謙虚な姿勢で面接に臨む意識を作りましょう。
・その場の対応力は必要ですが、全て行き当たりばったりで済まそうとするのは世間を舐めています。理解して頂く為に必要十分な内容に絞り込む作業は必要です。
面接は対話です。しゃべりすぎは、相手に良き質問を生み出さない原因になります。できるだけ絞り込んだ短い返答で面接のテンポをよくしたいものです。
・奥様が願書記入担当なら、ご主人は「提出しない願書」を書き、その願書を奥様が読み、夫の考え方を理解しておくべきです。夫婦それぞれが50の力を持つならば、合わせて100の力に近づかせるためにも必要です。
夫婦は、育ちも家系も異なる別人格ですから、考えを同じにして面接に臨むのは不自然です。パートナーの考えを理解して物事に対処することで、夫婦だからこその力を生み出してください。
最後に一言…父親に最も必要なのは「謙虚さ」と「妻と我が子への愛情」です。
お忘れなく。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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