先日、ワイドショーをちら見しながら出勤準備をしていたら、メタアナリシスという聞きなれない言葉が聞こえてきたので、暫くお付き合いしてみました。
UCLAの内科学 津川友介助教授著書「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」 について、著者本人に聞いてみるというコーナでしたが、「身体に良い食べ物」について全く興味が無く、ひたすら「美味しい物」だけを食べ続けてきた私には、「何を食べたら体に良いのか?」という内容ではなく、その食品を選ぶ為の手法としてメタアナリシス(meta-analysis)を選択している点について興味を持った次第です。
番組の主題は、「健康を維持する食品・病にならない食品」について、医師や識者が書籍やマスメディアを通じて経験値を基にした発表をするけれども,時が過ぎると、実は誤りでありこちらが正解なんです…なんて、「なんだよ!」と言いたくなるような見解が登場するのは何故か? ということでした。
津川友介助教授は、その理由を信用度の低い順に並べています。
⑴「医師や専門家による個人の経験談や科学的根拠に基づかない意見。
⑵観察研究
対象とする集団に対して研究者が何の介入もしないで、健康・疾病に関するデータを集めて観察
する研究手法
⑶ランダム化比較試験
研究の対象者をランダムに2つのグループに分け(ランダム化)、一方には評価しようとしている
治療や予防の為の介入を行い(介入群)、もう片方には介入群と異なる治療(従来から行われて
いる治療など)を行う。一定期間後に病気の羅漢率・死亡率、生存率などを比較し介入の効
果を検証する。
⑷メタアナリシス
複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること
メタアナリシスは、一つや二つの研究ではなく、数多くの研究結果をまとめたものだから、最も確かなものである!ということなんですね。
フムフム、だから⑴のような専門家の意見などを参考にしたり、鵜呑みにして右往左往するな!ということですね。
これを幼児教育に関する情報に置き換えてみたらどうでしょう…
私がブログを始めた最大の理由は、受験情報や考査準備に関して誤った情報を信じ鵜呑みにする母親があまりに多く、しかもその情報を「こういうものなのよ!」とパートナーであるご主人に信じ込ませ(近年は逆バージョンも多いですが)、結果的に、掘り下げられたら簡単に理解していない事や考えの浅さを露呈し、保護者本来の人柄や姿を見せずに受験を終える方があまり多い現実を放っとけなかったからです。
当会の会員が誤った情報や理解と準備で受験に向き合ったままにすることはありえませんが、長い時間と費用をかけて準備をされてきた多くの外部生受験家庭が、真実を理解し同じ土俵で幼稚園や小学校受験に臨むことができれば、結果的に附属幼稚園や小学校の価値を上げることに繋がると思うのです。
私が問題視してきた受験情報は⑴の「マニュアルしか意見を言えない教師」や「受験経験者である保護者」の経験談や科学的根拠に基づかない意見を耳にしてきた結果だと確信しています。
⑷のメタアナリシスは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析することです…研究と異なるものであるけれども、私は教室の会員や卒業生、附属出身者、附属幼小教職員、その他関係者との対話を数多く重ねてきた結果を統合し分析した内容を、各ご家庭に可能な限りフィットした形でお伝えしてきたつもりです。
以前学習院初等科出身の父親との面談時に、「入会前に参加した塾長セミナーで、学習院初等科について教えて欲しい」と質問した時、九分九厘正しい理解の上での発言を塾長がしたので、「初等科卒業生でもないのに何故理解しているのか?」びっくりした…と伝えられたことがあります。
でも、私にとっては至極当然のことであり、私だけでなく幼稚園・小学校受験担当の各主任も同様なのです。その理由は「私の経験」ではなく「沢山の方々の経験」を分析した結果であり、メタアナリシスを続けてきた結果に過ぎないと思うのです。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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