志望校・志望園の絞り込み方について(11)
小学校受験編①キング・オブ・アスリート
知的能力よりも、「心の成長」や「生活力・社会性の基礎的な育ちが身についている」子供かどうかを判断されるのが幼稚園受験です。
小学校受験では、知識・計算力・記憶力・思考力‥等々の知の発達も加えた総合的な発達度を判断するための考査を行っています。
私は、それを陸上競技の短距離走、中距離走、長距離走、投てき、跳躍という、それぞれ相反する身体能力を必要とする競技全てで一線級の成績を残さなければならない「十種競技」との類似性でよく説明します。
「十種競技」の勝者はキング・オブ・アスリートと称えられる存在です。彼らは各競技の専門競技者の成績を超えることすらあるほどのアスリートですが、小学校受験で好成績を残す子供は、不得意の分野でも受験生の平均値を超える力量を身に着けている総合力の高い子供達なのです。
不得手な分野が受験生平均値を大きく下回っていると総合得点に響きます。しかも苦手意識を残したままにすると、子供に自信の表情や態度が生まれず、得意な分野さえも印象に残らなくなってしまいます。
私の教室では小学校受験準備の模擬テストを創立期から実施してきました。その結果表には、合格判定の基準となる「附属小学校男女別ランク表」を参考資料として添付しています。
このランク表は毎年改定していますが、微妙にランクの上下を繰り返す附属も存在します。あくまで私や主任の経験で決定しているものですから、異なる見方をする教室があっても構いません。しかしながら年間5回の総合力を判定する模擬テストを続けてきた私達は子供の総合力判定ではかなり自信を持っています。
志望校の合格判定は総合力で判断可能です。競争率の高い有名校に合格する子供は、出題領域や分野、出題方式の偏りなど関係なく総合力の高い子供順に合格していくと結論付けても構わないと思います。
難度を揃えたペーパーを20枚も使用して、ペーパーに特化した能力判定をする中学受験校であろうと、3枚程度しか出題しない成蹊や筑波大附属、行動観察しか行わない幼稚舎や立教小、個別テスト中心の学習院や成城学園でさえも、知名度の高い学校であればあるほど、総合力の高さは重要なのです。
出題傾向に偏りのある各学校の過去問題の出来不出来で、一喜一憂する保護者は多いと思いますが、十分な準備期間の上で高い総合力を身に着けた子供でないと、考査で身に着けた能力を発揮できないのが小学校受験の厳しさだと思います。
志望校選択に保護者の属性が重要ですが、どのような出題形式にも対応可能な高い総合力を身に着けさせて初めて、保護者属性の一致が効果的なものになることを理解しておくべきでしょう。
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