保護者の居心地の良し悪しも大切な条件。
志望校(園)の決め方の流れについて、もう一度まとめておきましょう。
⑴自身の生来の『資質と気質』
⑵自分自身の育ちの履歴
⑶自身の育ちへの客観的判断/評価(コンプレックスも含む)
⑷我が子に多大な影響を与える『幼少期(十歳位まで)に関わらせたい人物像と人的環境』
⑸その人的環境を与える『理想的な育ちの幼稚園や小学校』の考察
⑴~⑶までの条件は、既に備わっているものですから不変ですが、⑷⑸についての絞り込み方は様々です。
例えば、保護者が私立の附属を理解するために最もポピュラーな手段は説明会ですが、その説明会では、学校や園を絞り込むための材料が沢山入手できる筈です。保護者の方々が私に語ってくださったの事例を挙げてみましょう。
・施設が新しく、清潔に維持されている。
・理念が感じられる施設である。
・学(園)内の様々な物から歴史の重みを感じる。
・学内や園内で見かける子供達が生き生きしている。
・子供達の来客に対する言葉遣いや接し方が好印象である。
・校長や園長の見た目の印象に好感を持てる。
・主に説明をされる校長や教師等の言葉から知性や教養を感じる。
・校(園)長の説明が理解しやすく、内容に説得力がある。
・全ての教職員から熱意やひたむきさを感じる。
・教職員の様子から子供達に対する温かさを感じる。
私は、保護者の志望校の絞りこみ過程をよく覚えています。何故ならば、相談しながら決定した家庭が多いからです。志望校(園)を絞り込むまで長時間の「両親面談」を繰り返すケースは普通のことです。
両親の何れかの意向だけで決められるなら簡単なのですが、育ちの背景が異なる両親と対話しながらの作業なので、簡単ではありません。両親の育ちの違い故に「見た目の印象」でさえ正反対となることは珍しくありません。相談の結果、相手に合わせる事は可能でも、互いが歩み寄って納得しあうことはまず不可能でしょう。
夫婦はそれぞれの育ちが異なるために、違う魅力や能力を持つからこそ影響しあう関係です。でも一つに何かを絞り込む作業には実は向いていない関係であることを、私はこの仕事を通じて知りました。中でも育ちを背景にするようなものは特に向いていないのです。
保護者によく申し上げるのですが、説明会の話や理念などを聞いて迷うなら、その場にいてとても居心地の良い空間であったかどうかを優先にしてみたらどうですかと提案します。何故ならば、居心地が良いか否かは、その方の幼少期の育ちの環境に起因しているからなのです。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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