幼稚園・小学校受験のmanagement74
『小学校受験準備 冬期講習と春期講習の違い』
最も大きな違いは指導時間の違いです。
年長クラスの冬期講習は3時間半、春期講習は6時間半… 春期講習はお弁当持参ですからミニ合宿のようなものです。どちらも小学校受験に必要な領域全てを網羅した総合指導ですが、特に磨き上げたい領域の違いが指導時間の差となっています。
冬期講習時点の子供たちの発達の差は歴然としていて、単に「早生まれだから…」で片づけるような違いではなく、年中期までの育ちの履歴の違いです。
会員の例で言えば、早期から年中クラスに通った子供達は、春期講習(昔話がテーマの四日間)、夏期講習(四季がテーマの前半四日間、虫・花・魚・哺乳類がテーマの後半四日間)のような、テーマを絞った講習を受講しているので、知識の定着度が高くなっています。
今年の年長会員は、実は極めて早生まれ率が高いのですが、今月初めに行った発達診断テストの結果が平均して高く、早生まれの特徴である「知識の定着率の低さ」もありません。
例えば、今日の個別テスト指導の一つである、私が担当した面接指導の質問への回答だけを見ても、夏期講習以降からの会員や今回の冬期講習を受講されている外部生の中に、「知識の定着と質問の意味の理解度」が低めの子供が多く見られます。
①生まれた日とその季節を答えて下さい。
②その季節はどのような季節ですか?
③その季節に咲く花は何ですか、できるだけ沢山答えてください。
②のどのような季節?という質問の意味を「夏ならば、暑い、海で泳ぐ、スイカが美味しい…etc.」のような補足説明無しに、理解できる子供は少ないのです。
③の質問をしても、花に季節があることすら知らない子も、まだまだ多い時期です。
知識の定着度の差だけでなく、運動、行動観察、絵画、制作、学習…総合学習の履歴の差が大きいのが冬期講習時の子供達の特徴なのです。
冬期講習は、子供達の目が開くかのような刺激を与え、順調な発達の領域と、早急に手を入れるべき領域を保護者が発見する機会とも言えるでしょう。
では、三月末から行われるミニ合宿のような春期講習ははどうでしょう…
冬期以降の三か月で、年長指導の総合的な基礎領域を身につけた子供たちにとって、次に磨きたい課題は、「他者との協力を代表とする社会性の発達」と「指示の理解力と的確な行動」「学習面での応用力」etc.です。
6時間半の長さは、ご家庭では伸ばしにくい上記の領域を磨くために必要な時間なのです。もし、春期以降に受験準備を始めるとするならば、残された六か月間で仕上げるのが如何に大変であることをご理解頂けたでしょうか…
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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