11月6日(水)暁星幼稚園の合格報告を頂きました。
「年中児並みの知育発達に加え、親離れが出来ている子供」を好む暁星幼稚園は、暁星小学校のように一次考査合格者のみ二次考査に進める方式をとっても良いので?と思えるほど、子供重視の傾向が強い幼稚園でした。
本年度から暁星幼稚園の新園長に吉川直剛先生が就任されましたが、前園長までは「男子の育ちへのこだわり」を持ち、「子供以上に母親に対して厳しい」と評される幼稚園でした。
しかしながら新園長になってから各先生方が保護者に対して温かく、大らかな接し方をされるようになったとの声をよく聞きます。
この変化は、「宗教に深く関わってきた方々の人的影響を親子共に受ける幼稚園」に相応しいと言えますし、江戸文化を受け継いできた浅草、上野、日本橋界隈で職人的な商売を続けてきた家庭や、開業医が中心であった暁星の保護者との関わり方が戻ってきたように感じます。
当時は白百合学園も類似の保護者層でしたが、男子校故か白百合学園以上に大らかでしたし、「子供らしくやんちゃ」と言える都会っ子も多く、現在では青山学院で学ぶ子が多い梨園の御曹司が、当時は暁星に通い続けられた理由もよく理解できます。
「我が子に厳しく接することができない両親」「我が子を叱ることを避ける両親」が目立つ時代です。そのような時代だけに、カソリック校の「自身にストイックな子供を育てる教育」は貴重だと思います。
しかし近年は、親に厳しいというエピソードばかりが語られることが多く、加えて子供の知育能力向上と中学受験や大学進学先への関心しかない保護者の割合が高い為に、本来の暁星の魅力が薄くなっていたように思います。
「宗教と仏語とサッカー」これは暁星学園のに受け継がれてきた三本の柱ですが、近年それらがおろそかにされていると嘆く年配の出身者は多くいます。
冊子「暁星学園の歩みと教育方針」をお読みになったうえで、ご自身にとっての「しあわせ」は何だと思われますか。
これは、本年度の暁星小志願家庭に送られてきた課題作文です。
暁星の教職員も、受け継がれてきた三本の柱に対しておろそかにすべきではないと考え、このような課題を用意したのではないでしょうか?
かつて慶応幼稚舎が福沢諭吉先生の著書から…そして慶応横浜初等部が小泉信三先生の著書(現在は福澤先生の著書)を読んだ上での課題を志願理由の下に加えた時と同様の狙いがあると私は感じています。
私立附属幼稚園や小学校は、将来の人物像の基盤となる「育ち」を得る場です。そして保護者にとっても「子供を通じた学び」を得る場です。
「親が何を大切にすべきか」「我が子の何を伸ばし、人的成長を促すべきなのか」「幼稚園や小学校が子供に求めるものは何か」「どのような親であって欲しいのか」
大学に合格するための受験準備しか理解してこなかった親御さんは、「幼小受験の準備は大学受験とは全く異なるもの」という頭の切り替えが必要であることを理解して欲しいのです。
「宗教と仏語とサッカー」暁星学園の三本の柱を、再び大切に考えるご家庭の為の学校とであり、フランス国歌を歌う暁星出身者の集いが続くことを願っています。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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