幼小受験準備をブラッシュアップ

「附属合格は出身者中心という誤解」

 

中学以降の受験経験者で「合格者は出身者中心で選ばれる」という認識の方はいないと思います。しかしながら幼稚園や小学校附属受験ではどうなのでしょう…?

 

私立附属幼小がほとんど無い地域で育った方はもちろん、都心部育ちの方でもご存じないと思います。知人に出身者がいたとしても、かえってそれが誤った情報入手の原因になっていることも珍しくないのです。

 

さて、本題に入りましょう。当ブログを通じて、経験で得た真実をお伝えしてきましたが、塾長カウンセリングの機会でも、出身者や在学（園）の妹弟を優先に合格者が選ばれるという認識を持っている方が今でも多い事に驚かされます。

 

様々な事例がありますが、出身者家庭と無縁の家庭の相違は意外に少ないという観点から述べてみましょう。

※この出身者ですが、系列中学以降の附属校出身者や大学卒は含まず、あくまでも幼稚園か小学校卒業生のみという条件です。（一貫校は全て一体であるという認識も捨てた方が良いですね）

 

夫婦は育った環境で育った為に、異なる人物像や背景に魅力を感じ結婚した例の方が多く、その為に好みの違いがあるものです。当然我が子の子育てや教育についての考え方も意見が異なるものです。

 

そうである筈なのに、本心を捻じ曲げて相手に合わせたり、理解したふりをして願書を用意し、面接に臨む家庭が意外に多いのではないでしょうか？そうすべきと導く幼児教室まであるぐらいですから、無理もない事だと思います。

 

でもそのために不合格や補欠になってしまう事例は多いのです…

 

 

附属の教師にとって出身者はその附属に通う意味を理解しているので、受け入れやすい筈です。でも、だからと言って夫婦両方が望む幼稚園や小学校だと確信しているとは限らないでしょう。

 

どんなに演出しても「先生方には透けて見えるもの」であることに保護者は意外に気づいていないものです。附属幼小で育てる価値を理解していない、もしくは理解しようと思わない非協力的なパートナーは意外に多いものです。

 

昔は父親にそのタイプが多く、不安や不満を持つ母親からの相談が多いものでしたが、共働き家庭が主流になった近年の幼小受験では、母親にも多く見られるようになりました。

 

昔も今も夫婦に意見が合わない事は山ほどあるものです。我が子の将来の幸せを願う思いは共通でも、そのための歩みについての考えが同じでない方が普通なのでしょう。

 

ただ、父親の方が未経験な事例や考えの違いを受け入れられず、パトナーの思いを理解できな事例が多いことを、この職業を通じて感じてきただけに、男性にその傾向が高い事は間違いがないでしょう。

 

 

パートナーの姿勢が起因として不合格につながりやすい事については、出身者家庭と無縁の家庭であるかどうかは無関係ですし、準備中に未解決のまま時間が過ぎてしまう事が多く、その割合に出身者と無縁家庭に違いはありません。

 

考査現場でも、出身者の子供だから点数を加算してくれるという事もありません。兄弟関係に多少甘い附属はありますが、全く考慮しない附属も多いのです。特に競争率が高い伝統校は、出身の有無などの理由で合否を左右させてしまうほど甘くはありません。法人への就職が親族が社員であったことが優先的であった時代が過去のものであることと同様です。

 

出身者の長男長女の受験や、在園・在学家庭の下の子の受験に対して不安が多く、「初めての受験をされる家庭にかなか理解していただけないんです…」と述べられる方が多いのは、「附属合格は出身者中心という誤解」をしている家庭が多いことを物語っています。

 

しかも「より妹弟や出身者の選びが優先的でないのが幼稚園受験」であることはもっと理解されていないことも事実です。

 

　　　　　　

麹町慶進会 　塾長　島村　美輝　　　　　　　　　
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