「当会保護者の職業分類データ」は2014年、2017年、2019年の三回、当ブログでお伝えしてきました。
今回は、令和元年の発信「2019年度 当会保護者の職業分類データ」を振り返ってみましょう。
慶進会幼児教室は、最年少から年長までの四学年(各一クラス)ですが、ご両親を導ける限度数として約70家庭迄お預かりしています。 令和元年は、7月現在70家庭の会員が在籍していました。
まずは、会員の共働き率から調べました。
・夫婦共働き家庭の割合 42%⇒53%⇒54% (2014年⇒2017年⇒2019年)*以下データでは省略
2017年度から二年過ぎましたが、共働き率はほぼ同じです。
専業主婦率の高い教室もあると思いますが、当会は2017年以降共働き家庭の割合が50%以上が平均となっています。これは幼稚園受験準備と小学校受験準備のクラスに差はありません。
「母親が専業主婦でないと幼稚園は合格できない」という伝聞を信じている方が今でも存在するようですが、 当会は保育園通園率も30%平均であり、当会の過去の合格データを調べてもそのような事実はありません。
専業主婦であろうとなかろうと、附属幼小に通う意味を理解し魅力ある両親を選ぶことは、私立附属幼小にとって生命線と言えることです。共働き率の上昇傾向は続くとは思いますが、肝の据わった専業主婦の存在も附属幼小にとって重要な存在ですから、今後程よいバランスに落ち着いていくであろうと思います。
次に共働き家庭の、夫婦それぞれの職業分類を比較してみましょう
医師 (夫)27%⇒16%⇒16%
(妻)21%⇒15%⇒33%
歯科医師 (夫)5%⇒5%⇒2%
(妻)11%⇒6%⇒14%
弁護士・司法書士 (夫)5%⇒2%⇒6%
(妻)16%⇒3%⇒0%
会計士・税理士 (夫)2%⇒2%⇒2%
(妻)5%⇒0%⇒0%
公務員(地方・国家)(夫)2%⇒3%⇒3%
(妻)5%⇒6%⇒3%
法人企業社員 (夫)28%⇒39%⇒30%
(妻)7%⇒43%⇒31%
法人経営者 (夫)28%⇒28%⇒37%
(妻)5% ⇒3%⇒3%
個人営業職 (夫)3%⇒5%⇒6%
(妻)11%⇒21%⇒17%
*個人営業職は、学者、教師、経営コンサル、カウンセラー、技術職、芸術家、作家、プロスポーツ、タレントetc.を職業にしている方です。
2019年度は法人企業勤務家庭が減少しましたが、昨年も含めて少数派の印象はなく、2014年頃と比較すると、リーマンショック後に激減していた金融・コンサル等の外資系法人勤務家庭の復活が目立ちます。
経営者も現代は多様化していて、コンサルや人材派遣、IT系の法人経営者が増えました。 不動産、建築系も近年の建設ラッシュのせいか目立ちます。
1980年頃に始まったバブル期以降、私立附属幼小は中学受験に続いて、ポピュラーになりましたが、志願者数の増減は、景気の波に左右されてきました。
景気の波に左右されない職業である勤務医師の家庭は、当会では近年割合が高めの職業ですが、妻が医師で夫は別の職業である家庭も増えていて、女性の社会進出の象徴的存在となっている印象があります。
大手企業社員も当会では割合が高く、子育てをしながら社会で活躍する母親と数多く対話を重ねてきました。
最近は「中学受験を避け、最終学歴や職業選択は子供自身に委ねる」という、幼少期の育ちの環境を重視する考えを持つ母親が目立って増えています。外部の家庭でも、カウンセリング等の機会を通じてその傾向が強まっている事を感じます。
海外勤務や留学経験がある家庭も多く、世の中のグローバル化に対応できる人材として育つことを目標に、多様な経験を持つ保護者の多い私立附属の育ちを望む外資系企業勤務家庭は、法人勤務家庭の中でも高い割合を示しています。
数十年以上前に割合の高かった、経営者や大手企業創業者一族の家庭は、2019年でも37%と多いのですが、商売人気質を持つ経営者は少なくなりました。時代と共に経営者のタイプも変化していくのでしょう。
以上、2019年に発信した「当会保護者の職業分類データ」を振り返ってみましたが、2022年(令和四年)3月現在、職業分類に大きな変化は感じません。
しかしながら、ここ数年のコロナ禍での影響で、留年や海外転勤がほぼ消滅し、一気に業績悪化傾向となった業界も目立っています。2019年当時は不況の影響をほとんど受けなかった医療家庭も、患者離れで経営が厳しくなった病院も目立ち、国からの補助で支えられている間は良いでしょうが、通院者数の減少がどこまで復活するのでしょうか…?
法人社員の勤務形態の変化もあり、コロナ後の社会がどのようになっていくのかは読みにくいところですが、、当会保護者の職業分類が大きく変化する可能性は十分にあると思います。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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