平成30年度の附属幼・小受験を振り返る…part1

附属幼稚園・小学校受験の考査方法は、その年毎に大きな変化があるわけではありません。前年度の考査の流れに沿う形で行われるだけではなく、考査内容も同じではないけれども出題領域と分野が大きく変更されることは稀です。

 

令和二年の青山学院初等部のように、二日間の考査が【個別考査日】+【行動観察考査日】⇒【ペーパー考査日】+【行動観察考査日】のような大きな変更は稀有な例ですが、この変更もコロナ感染対策の為と捉えるよりは、既に二年前から予測できていた【個別考査⇒ペーパー考査】という変更のきっかけになっただけと考える方が妥当だと私は思います。

 

考査の流れや、考査の出題領域と分野の違いは、各附属幼稚園や小学校の選ぶ児童の特性に繋がりますし、その延長線上にある保護者の属性に繋がるものです。だからこそ、考査の流れや出題領域と分野の研究は、志望校(園)を決定する上で重要な事だと言えるでしょう。

 

ただ受験準備を、その志望校(園)だけに特化した過去問中心の対策に特化しすぎたり、気に入られたいと思う意識の強さ故に、子供と両親が元々持っている特性を無くすような演出が、合格を遠ざけてしまうものであることだけは、附属幼小を目指すご両親には知っておいて欲しい事を願うばかりです。

 

新テーマ「過去の特集ブログを振り返る」の第一回は、今後の考査に繋がるものを掴んで頂く為に、2018年末から2019年に1月にかけて発信した12回のブログを最発信することにしました。

 

「平成30年度の附属幼・小受験を振り返る…part1」では、その頃の保護者層や親の意識について述べていますので、参考にしてください。

 

 

【平成30年度の附属幼・小受験を振り返る…part1】

2008年リーマンショック、2011年東日本大震災…立て続けに起きた予期せぬ出来事が、ミニバブル的成長を続けていた私立附属幼小受験に多大な影響を与えた事は、何度もお伝えしてきました。

 

私立附属幼小受験は、景気の波に影響されやすいのが特徴です。しかも震災後の不安も加わり、1986年~1991年2月のバブル景気頃に大きく広がった附属幼小受験の保護者層を一気に狭めてしまいました。

 

東日本大震災以降の保護者層は、以下の三つが特徴でした。


①理系女子志望家庭

②共働き家庭

③勤務医家庭

 

「娘に資格を身につけさせたい」

「一生続けることが可能な職業に娘を就かせたい」…

 

以上は、カウンセリングや体験指導時に「勤務医や法人勤務の共働き家庭」のご両親からよく耳にした言葉です。

 

それは、不景気の影響をあまり感じなかった開業医を除く勤務医家庭や、大手法人勤務の女性の正直な願いであり、そこには母親でありながら職を持つ女性としての我が子への思いが込められています。

 

不景気感に包まれた時代は、「心の成長や人間性の魅力に繋がる育ち」よりも「将来の安定に繋がる道」が優先されるのでしょう、高学歴に繋る可能性の高い附属、就職率の高い大学の附属…これらの条件を満たしていないように思える大学附属系の幼稚園・小学校人気は著しく低下しました。

 

東日本大震災の記憶が徐々に薄れ、国内の景気回復傾向を感じるようになると「私立幼小の育ちを得たい。その上で中学以降の受験は本人の自主性に任せたい」「グローバルな社会で活躍できる人材に成長して欲しい」という言葉をよく耳にするようになりました。

 

受験家庭の志願理由が再び多様化傾向になり、その結果平成30年度の私立附属幼小受験は競争率UPの傾向になったように思います。

 

平成30年度の私立附属小学校受験の競争率データはお受験インデックスのようなサイトにお任せするとして、part2では私の教室の会員徒の受験を通じた、本年度ならではの特徴的な事例などをお伝えしようと思います。

 

                                              part2に続く

 

 

 

 

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