幼稚園と小学校の受験は、軸足を何所に置くかで見えてくるものが違ってくるので面白いのですが…保護者の職業を軸足にして、好みの附属幼稚園・小学校を考えてみましょう。
トップバッターは歯科医師や医師を職業とする保護者の家庭です。何故選んだかというと、附属幼稚園・小学校を目指す職業で、近年最も多いのが開業医や勤務医の家庭だからです。
私の教室では、保護者の半数以上が医師家庭となって久しいのですが、近年、夫婦共に勤務医である家庭の割合が増えたことを何度もお伝えしてきました。母親が勤務医の家庭では、母親が週一回から三回程度に勤務日を減らすことが可能なので、子供の手が離れる小学校低学年ぐらいまで、仕事と子育ての両立が維持しやすく、通園に母親が付き添う日が多い幼稚園に通いやすい条件が整っていると言えるでしょう。
幼稚園や小学校の受験はリーマンショックと東北大震災の影響を強く受けましたが、不景気の影響を受けにくい勤務医家庭は世の中の不景気感を最も感じ取りにくい職業と言えるでしょう。反対に商売人や経営者一家は、顕著に不景気の影響を受けやすく、経営者でもあるクリニックや歯科医経営の家庭は主流から外れてしまいました。
また、ご主人が勤務医で、奥様が弁護士や会社勤務の家庭も増えてきました。そのようなご夫婦は、我が子に将来資格を得て欲しいと願い、本人の意思で大学受験をして欲しいと考えるケースが多いと言えます。
医師家庭のご夫婦が望む幼稚園は、女子では白百合学園や雙葉が断トツ人気で、学芸大やお茶ノ水女子大附属も人気があります。男子では系列大学が無い為に、曉星幼稚園の人気が目立ちます。男子は附属幼稚園の選択枝が数少ないので集中するのは当然ですね。
また、小学校受験では狭き門である光塩女子学園やカリタスのような大学受験校は、白百合や雙葉と同様の理由で安定した人気がありますが、幼稚園の近隣に住む家庭が中心であることは否めません。
カソリック系の附属幼稚園は、「躾けの行き届いた規律ある育ちと、真面目に学業に取り組む姿勢が得られる人的環境」故に魅力を感じるご両親が多く、人気があるのです。とにか「くきちんと育てたい」という親の願望が感じられて納得できるものがあります。
カソリック附属校に対しては、医療に携わる者にとって大切な粘り強さや、厳しい環境に耐えられる精神面の強さが育める人的環境に魅力を感じている方も多く、無宗教系附属やプロテスタント校の自由でリベラルな雰囲気を敢えて避けようとする家庭が多めなのも特徴と言えるでしょう。
これは言い換えれば、社会性が不足気味で、他者との付き合いが苦手な方が多いということであり、幼稚園の先生と保護者との間に一枚壁を作るような関係が好ましいと感じる方が多いということなのでしょう。経営者等が多い附属園とは対照的な人的環境を選択する割合が高い職業なのだと思います。
加えてカソリック系附属は、無宗教校やプロテスタント校の半分程度の費用の附属が多く、家庭同士のお付き合いも華美でないことが、勤務医家庭にとって好ましく感じられているようです。
次回は医師家庭と小学校受験について述べましょう。
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