平成30年度 私立附属幼稚園・小学校受験を終了して…part8
「幼稚園受験の結果を振り返って(7) 暁星幼稚園篇④」
前回の暁星幼稚園篇③の考査内容報告は、当会の受験生の保護者の皆様からですが、三歳児の子供達が親に伝えた内容であることを忘れてはいけません。
本年度の受験では、暁星幼稚園とは無縁のご家庭である5人の男子生徒が暁星幼稚園を受験されましたが、私共にとっても上出来すぎと思うほどの結果でした。しっかりと内容を把握し正確に親に報告できる子供達であった故の結果です。しかも教室に預け放しではなく、自分の軸足しっかり持ちながら耳を傾けることができる保護者が揃っていたからこその結果です。
幼児教室にとって、ご家庭に恵まれることは良き結果を出す為の最良の条件ですが、運も伴います。良き運は良き縁から得られるものであり、縁を大切にし日々の努力を続けるしか良き運は得られないと確信しています。
さて、暁星幼稚園の2日目の考査内容が高度なのは、三年保育受験の経験をされた方ならばご理解頂けると思います。三年保育受験では、日本女子大豊明幼稚園が心の成長に伴い、能力発達の必要性を特に感じる幼稚園ですが、成長著しい時期の二年保育受験とはいえ暁星はそれ以上と言えるでしょう。
幼稚園受験は面接を通じて保護者の絞り込みを行い、後日行われる考査で親子関係や社会性の発達を観察して合否を決めるのが一般的ですが、能力の発達ばかり気がかりになっている保護者が見逃しがちなのが、子供の心の成長です。
集団教育の原点の場である幼稚園の先生方が魅力を感じるのは、他者と共存し健全に成長する為に必要な素直な心や他の子供との関わり方を身に着けた子供…一口で言うと心の成長を感じ取れる子供です。
能力の発達は就園後でも可能ですが、素直さを感じる心の成長は、親の子育てを通じて育まれるものです。だからこそ子供との向き合い方と知恵が大切であり、幼稚園の受験指導では子供の教育以上に保護者の親としての成長を導き、心の支えとなるのが幼児教室の立場です。これは三年保育の幼稚園だけでなく、二年保育受験の雙葉や田園雙葉、学習院幼稚園でも同様と言えるでしょう。
しかしながら、暁星幼稚園は「年中並みの能力発達と精神面の成長を身に着けているか?」
が合格の条件として大きいのです。
難度の高い考査内容で結果を出す為に、この年齢の子供の平均的成長度を理解せずに、弊害を生みかねない無理な指導を与え続けてしまう家庭や、信頼が壊れてしまうような親子関係を生みだす可能性があるのです。
子供への愛情と厳しさの両方を、個々の子供応じて的確に使い分けられる教師は多くはありません。特に幼稚園受験の教師では稀有な存在だと言えるでしょう。保護者への導きが特に必要な幼稚園受験を完全に任せられる教師になる為には、二十年以上の指導経験と保護者との数多くの対話経験が必要条件です。
ましてや、女子より遙かに手が掛かる男子の受験対応です。保護者の皆様の想像以上のものだと言えるでしょう。だからこそ幼稚園受験で結果を出せる幼児教室は数少ないのです。
part9に続く
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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