今日は10月30日(火)です。神奈川県の人気附属小学校である森村学園初等部の複数合格報告がありました。
森村学園は会員の併願校では定番的存在です。埼玉県の大学受験校同様に安定した総合力を身に着けていないと結果が出ない学校です。しかも埼玉県の附属小と違い、男女各一日ずつしか考査を行わない為、合格難度はこちらの方が上です。
当会では内部進学率の高い大学附属との併願をされる家庭が多く、場の変化や出題の違いによってペーパー考査の結果が不安定なタイプの子供が、森村学園初等科が補欠や不合格の上で東京都の大学附属に合格する例はよくあります。
模擬テストの成績上位者によくある、本命ではない併願校への軽い気持ちが原因の不合格結果は、神奈川県の中学受験系附属小と同様ですので、受験する全ての学校に全力で向き合う大切さを教えてくれると思います。
森村学園は当会の総合模擬テストで平均点の位置だと、考査で力を発揮しても当落線上五分五分というところの位置づけです。神奈川の大学受験校である桐蔭学園附属より、合格難易度は上とこれまでの合格データは示しています。
系列中学への内部進学率は90%ですから、高校・大学まで受験をせずに大らかな育ちをさせたい保護者が多く、田園都市線沿線の雰囲気にフィットする校風は、大学附属校のゆっくりした時間の流れの中で育てたい保護者の併願校として、都心からも通学する家庭が多い理由になっています。
考査方法は他の大学附属受験系附属小のようにペーパー以外に制作・絵画・巧緻性・運動・行動観察・親子面接…の選抜方法を広い領域から出題しています。特にペーパーは小冊子(25問以上)で出題されますから、しっかり準備を重ねておく必要があります。
当会では、青山学院や立教小、幼稚舎のような、行動観察や個別考査中心の考査方法の附属との併願が多く、青山学院や立教等の合格者がペーパー出題にも対応できる子供である事を示しています。
幕末から実業家として日本経済界と、慶應・早稲田大学や北里研究所などを援助を支えてきた創立者・森村市左衛門が、東京高輪の私邸で1910年に幼稚園と小学校を開校したそうですから、創立100周年を2010年に迎えた伝統ある小学校です。
1951年に横浜市緑区長津田町に移転し、中学、高校を創設ながら歴史を刻みました。私が若い頃、年配の方に「森村は以前東京にありましたよね、当時は…」とよく聞かされましたが、神奈川の私立附属校として既に70年近く過ぎました。
伝統ある私立校はどのような時代になっても、軸足をしっかり持った教育環境を維持しています。当会の卒業生の姿から、森村学園初等科部がその象徴的な小学校であることを確信しています。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝 |