「子供の育ちを意識した人的環境としての属性」
前回までは、①の「保護者の居場所としての属性」について小学校受験、幼稚園受験に分けて述べました。今回は ②の「子供の育ちを意識した人的環境としての属性」について述べましょう。
子供の将来の幸せを願わない親はいませんから、その幸せに繋がる可能性がより高いと思われる環境で子供を育てたいと考えるのは当然です。
大人と違い、極めて順応性が高いのが子供ですから、親の選びで決定した幼稚園や小学校という新しい環境は、入園(学)から数か月後には慣れてしまうものです。それだけに影響の大きさも両親とは比べ物になりません。
私立小学校は、全国の小学校の1%にしか過ぎない存在ですが、極めて濃い人的環境です。中でもカソリックやプロテスタント、仏教、神道などの宗教系附属は、その教えを学ぶだけではなく、長期にわたり宗教と向かい合ってきた教職員や保護者の人的影響に価値を重んじる保護者の選ぶべき附属です。
『宗教系附属を選ぶ方がよく述べられる言葉なら…』
・カソリック系附属の躾が行き届いた環境で学習習慣を身に着けて欲しい。
・プロテスタント系附属のリベラルで自由な校風の中で活動体験を通じて友人を増やして欲しい
・六年後の中学受験を目指しながらも、仏教の導きで人の道も同時に学ばせたい。
『無宗教系附属を望む方なら…』
・創立者の理念に基づいた校風の中で伸び伸びとした人格形成を望みたい。
・海外のエリート達と同様に、学業以外にも一生涯続けられるスポーツや芸術系の活動をさせられる受験に追われない学生時代を送らせたい。
というような理由かもしれません。でもこれらは聞こえの良い言葉ばかりで、志願先を決めてからでも用意できる程度のものに過ぎません。
願書や面接で相手に「なるほど…」と納得させるような志願理由は、「家系や幼少期の育ちの環境」が起因となっている「人生経験から滲み出た育ちの場に対するこだわり」のようなもので、薄っぺらさなど微塵も感じさせないものです。
特に附属幼稚園は、保護者からの人的影響が小学校以上に大きい場であるだけに、説明会だけでなく関連書籍や人脈などを通じて「子供の育ちを意識した人的環境」について掘り下げておく事が肝要だと思います。
附属幼稚園・小学校は、子供を通じた社会で親自身の成長も望める貴重な場であるだけに、優れた親力を求められる場です。親の準備としては最も必要なことのように思います。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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