令和5年度のサマースクールは8月3日に終え一週間が過ぎました。
年長、年中合同時代は40数名のサマースクールでしたから、年中児のみ24名となった現在は楽になった筈なのですが…
単一学年となったことで、確かに運営上はシンプルになりましたが、すでに鍛えられ成長著しい年長児とは違い、会員は通常授業で受験生の基盤を造り上げている段階ですし、参加者の半数近くいる外部生は、成長著しい附属在園生もいれば、受験経験のない自然体の育ちの保育園や幼稚園の在園生が混在しています。
上記のような個人差の大きい24名の男女年中児と共に七日間生活をするのが如何に簡単な事ではないか想像できると思います。
なのに、何故通算で50回以上もサマースクールを行ってきたのか…
教師側で言えば、個々の子供の表面上ではない(親にも見せていないかも…)本質的な姿を見る事からの学びが大きいからでしょう。
型通りの表面的な関わり方や声がけでは子供を救ったり、成長させることはできないものです。
負荷がかかると、幼さが目立つ年中児ならばまるで赤子のような生まれつきの素のままの姿を見せます。それは実に可愛い姿ですが、七日間で成長させてお返ししたいと心から思い、教師に頼ろうとしがちな子供に対して、心を鬼にして他の子供との関りを増やして成長するように促し続けます。
発達が早めの年中児は、発達が早いが故に幼い子に対しては服従させようとしたり、他者の目を気にして、自分が優れているように振舞ったり、他の場ではできる筈なのに思い通りにならない為に苛立ったり、手が出たり…等々、その子の本質が全て露呈し、気になる点は幼い子供以上のものです。可能な限り改善したいと思い導き続ける事が教師を成長させます。
子供の成長に対する視点で言うならば、4歳から5歳の幼児なのですから、6泊親と離れただけでも成長するものなのですが、生活を共にする教師が、その子の可能性を信じて手を入れ続ける日々を通じてより多くの成長と改善、そして子供本来が持っている生き生きとした生命力や苦手なことを克服する意識を育てます。
サマースクールを通じての我が子の成長は大きいものですが、親御さんの手元で生活しているうちに薄れていくかのように感じるでしょう。
ところが、これから受験だけでなく、幾多の試練が子供達を待ち受けているのです。その都度、あのサマースクールを乗り越えられた自信が蘇るかのように我が子を支え続けることになるのです。
これから来年の受験を迎える子供は、親の想像以上の人的環境変化の大きい考査現場で力量を発揮しなければなりません。
附属幼稚園生にとっては、小学校受験を乗り越えた高い総合力を持つ子供と机を共にする試練が待っています。
その時になって、今回の我が子の経験が大きな支えになることを親子共に感じることでしょう。
「大きな変化の無い通常の日々に、大きなくさびが撃ち込まれる経験で成長し、変化の薄い通常の日々で定着する」この繰り返しで子供は成長するものなのです。
親の焦りや我が子を思う気持ちからの浅い考えや性急な期待は子供を苦しめます。
幼稚園や幼児教室、習い事を通じた大きなくさびを大いに利用して我が子を成長させる為に必要なのは知恵と我慢強さなのです。
私たちにとってもサマースクールは修業の場ですが、大きなくさびを打つ機会を無くしてはならないと思って続けていくつもりです。
皆様の励ましと支えで令和5年度のサマースクールを終える事が出来ました。心から御礼申し上げます。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
〒102-0084東京都千代田区二番町9-2日興ロイヤルパレスB1
Tel 03-3265-7774 / Fax 03-3230-4737
http://www.keishinkai.ne.jp/
■2024年度 2・3歳児対象 発達診断テスト
コージアトリエ『ご家族で取り組むお受験スタイル』 - YouTube